【2023ブログ企画 vol.13 清本 桃花】(4年TR)
2023/08/16
自宅からグラウンドまで自転車で30分、私にとってこの朝の時間はとても大切だ。
少しずつ部活モードにスイッチを切り替える。この30分間で気持ちを整理してグラウンドに向かうのだ。
私は人に対して注意をしたり指摘をすることが苦手だ。昔から人の顔色を窺ってしまう癖があって自分に自信がない私が、大人数の選手に対して指摘するなど得意なはずがなかった。
この指示は適切なのか?と不安に思うとともに、私が言うことに対して気分を害する人もいるかもしれないと心配になる。『怖い』という表現の方が感情としては近いかもしれない。
「スタッフに注意されるの、自分だったら嫌だわ」
以前、他のスポーツをやっている友人に言われたことがある。
特に衝撃はなかった。それが普通の感情だろうなと冷静に受け止めた。
と同時に、BBにはそんな態度を見せてくる人はいないなとふと思った。
BBには自分の助言を信じて怪我の相談をしてくれる選手がいる。自分の発信に応えてくれる選手がいる。
私は、私の意見や考えを汲み取ろうと向き合ってくれるみんながいる限り、自分の責任から逃げてはいけない。どんなに怒られてもどんなに辛くても最後まで貫く義務と責任があると思う。
分からないことは選手にも聞くし、自分なりに調べて自分なりの結論を出す。4年目になってもこんなテーピングあるんだ、こんなリハビリ方法もあるんだと発見があるし、学びは尽きない。きっと引退するまでこの日々は続くのだろう。
アップで指摘したとき返事をしてくれてありがとう、その通りやってみようと実践してみてくれてありがとう。みんなにとっては当前のことかもしれないけれど、私にとってはモチベーションに繋がる大切なことです。
受験期にお世話になった先生に言われた言葉で心に残っているものがある。
「試験本番、自分の机の上に目には見えないノートをどれだけ積み上げられるかが大切だ」と。
リーグ戦本番、選手もスタッフも緊張するだろう。そんなとき、今までの自分の努力を思い出そう。目に見える努力も目には見えない努力も沢山してきたこれまでの日々を。形あるものではないけれど確かにそこに存在するものを。
先輩にも物怖じせず意見をぶつける頼もしい後輩たち、日々考えることをやめず精進する同期たちと戦う23シーズン。私なりに最後まで走り抜く。
自宅からグラウンドまで自転車で30分。今日も私は、臆病な自分からスイッチを切り替えてグラウンドに向かう。
4年TR 清本 桃花