人事を尽くして天命を待つ
2022/08/15
まずは僕の現状について簡単に説明させていただきたいと思います。発熱その他諸症状が治らず、只今部活をお休みさせて頂いています。病院をたらい回しにされる生活を一ヶ月ほど続けていますが、まだ原因は分かりません。ご心配、ご迷惑をおかけしていますが、何卒ご理解頂きたいと思います。
部活を休んでいたこの一ヶ月の間には色々なことがありました。力学落単の100倍ぐらいショックだったのは整形外科医からの宣告でした。大元の足の骨にもかなりのダメージが蓄積しており、手術無しでの回復は難しいであろうということでした。それからの数週間は今までで一番ラクロス部について考えた期間だったと言っても過言ではないと思います。自分のこれからの大学生活について否応なく向き合わされた数週間でした。
将来について考えるに当たって幾度と無く脳裏に浮かんだ景色があります。高3の運動会の決勝戦、僕が指導した中1がグラウンドに向かって歩いていく背中です。半年間に渡って競技に向き合ってきて、一ヶ月間に渡って側で指導してきても、後輩をグラウンドに送り出した後の僕にできることは何もありません。組の命運と自分の努力の結末をあどけなさの残る38人の中1に委ねなければならないわけです。それでも、当時の僕には不思議と少しの不安もありませんでした。だって100%の努力をしてきたから。「人事を尽くして天命を待つ」ことの美しさを教えてくれた景色でした。
大きな挫折を味わい進むべき方向を見失いかけた時に思い出したのは、常に100%の努力をしていたいという強い思いです。AS転向という決断を下したのは、それこそが自分の最大限の情熱を引き出してくれる道だという確信があったからです。プレイヤーに未練がないとは言いませんが、僕は最善の選択を下したつもりです。皆さんが僕の再スタートを祝福してくれたなら、それほど嬉しいことはありません。
僕は3年後、日本一を賭けて戦うグラウンドに同期のみんなを送り出すことになります。1%の不安もない誇りに満ちた心で送り出せるよう、100%の努力を積み重ねていくつもりです。高3の運動会で味わったあの透き通った高揚感をもう一度感じることができたなら、その時初めて決断の正しさが証明されるのでしょう。
AS転向を決めた日の夜、久しぶりにラクロスの動画を見ました。ワクワクしました。怪我との戦いから解放されたからでしょうか。ラクロスを「楽しむ」気持ちを取り戻すことができました。この気持ちを忘れずにこれからの部活に向き合っていきたいと思います。
1年AS 大内智稀