『リーグ戦が始まった』
2009/9/1
今年僕たち東大は、「備える」「尽くす」「遂げる」という3つのキーワードをチームスタイルとして掲げている。
最初はこのキーワードの運用に戸惑ったが、僕は今このチームスタイルに誇りを持っているし、とても好きだ。
僕がチームとしてやりたかったことはまさにこれなんだなあ、と思う。
「備える」:やることを明確にし、全員でそれを共有する。常に目標を見据え、そのためにできることを考える。
「尽くす」:いつ何時も今に集中し、パフォーマンスを出し続ける。やってきたことを出す。練習でも試合でも、持つ力を最大限出し切ることに重きを置く。
「遂げる」:上の二つをやりきることで、結果的に勝利がついてくる。「勝とう」ではなく、「やりきろう」。
(夏合宿配布の資料より)
僕が2年生のころ、練習でも試合でも、ミスばかりをして、理想とかけ離れた自分に悩んでいた時期がある。
ミスをするのが怖くて、試合に出るのも怖かった。
そんなとき、メンタルトレーニングの先生にかけられた一言。
「お前はそんなもんだ。
そしてお前がその程度なことは、チームメイトもコーチもよく知ってる。
お前のミスも、緊張も、すべて想定内なんだぞ。
それでも勝つためにお前を使うのはなぜか考えてみろ。」
少しの悔しさと、すがすがしさを感じた。
こんなはずじゃない、おれはもっとできるはず、と逃げていた自分からの脱却。
足りないものを悔しがるのではなく、今まで積み重ねてきたものに自信を持って挑もう、すべて出し切ろう、そう思った。
たぶん、試合は戦う前から結果が決まっているのだ。
強いほうが勝ち、弱いほうが負ける。
僕たちにできるのは、それまでの準備と、出し切ること、それだけ。
2009年度も、ついにリーグ戦が始まった。
これからひとつも負けられない試合が続く。
あとどれだけ積み重ねることができるだろう。
1つ1つの試合に、学生決勝までに、全日本選手権決勝までに。
本当はもっとおれらは強いはず、こんな相手に負けるはずがない、そうやって空虚の自信にすがりつくのではなく、ひとつのシュート、ひとつのGB、ひとつのパス、ひとつのトレーニング、ひとつのMTG、全員で支えあって走ってきたその足跡を、誰にも気づかれずに一人ひとりが積み重ねた小さな努力を、1日1日、一歩ずつ、着実に歩んできたその軌跡を信じて、戦いの舞台に立とう。
全てを懸けて挑む。