小澤



【2023ブログ企画 vol.21 小澤 るの】(4年AS)


2023/09/08



『モノローグ』


私は自分の思いを言葉にすることがあまり得意ではない。
受け取った人がどう思うかを考えすぎてしまう。
言葉にした本心を否定されるのが怖い。
だからついつい本心を押し殺してその場における最適解を作り上げようとする。
でも、今回ばかりはそういったことをあえて考えずに、心の内を正直に文字にしてみようと思う。

私は体育会には向いていない。それは入部を決める前からずっとわかっていたことだった。

体育の成績はずっと3だった。
内向的な性格で、「絆!熱血!根性!」みたいな体育会系の熱いノリを毛嫌いしていた。
みんなで一丸となって協力する運動会や文化祭の空気感が少し苦手だった。
「時にぶつかり合いながらも諦めず努力を続け、共に戦って絆を深める」
そんな漫画のような青春に淡い憧れを抱く反面、劣等感からそれをどこか冷めた目で見てもいた。
大学生になってまでわざわざ運動会部活に入ろうなんて1ミリも考えていなかった。

それなのに、男子ラクロス部の勧誘を勢いに押されて受けてしまった。
大学生の貴重な4年間をラクロスに捧げ、がむしゃらに学生日本一を目指す先輩たちの姿はきらきらと輝いていて、つい心が揺れた。

「今までの自分からは卒業して、この部のチームスタッフとして学生日本一を目指したい」

そんな夢ができ、思い切って入部を決めた。

それから4年近くが経った。
たった4年で今まで作り上げてきた人間性を完全に塗り替えることは難しい。
今でも内向的な性格は変わらないし、根性論はまだ少し苦手だ。
それでも、チーム一丸となってひたむきに頑張ることは何よりも尊いと感じるようになった。
たった60分でチームの命運が分かれてしまうという、競技の残酷さをまざまざと見せつけられる度に、勝利への執着心が強まった。
いつも努力を見ている選手たちが試合で活躍している姿をみると、涙が出るほど嬉しい。
頑張っていても報われない厳しい現実を目の当たりにすると、悔しくて悲しくて気持ちが沈む。
いつしかあんなに大嫌いだったスポーツにこんなにも心を揺さぶられるようになった。
過去の自分からは想像もできない変化だ。

部活生活は楽しいことよりも大変なことの方が多いと思う。
週5日の朝練と、膨大な量のグラウンド外業務は肉体的にも精神的にもきつい。
優秀な同期や後輩と自分を比べ、要領の悪さや自分の未熟さを痛感する。
自分はチームに価値を与えられているのだろうか。
自分がチームにいる意味はあるのだろうか。
そんなことばかりをぐるぐると考えてしまう。
悩み、葛藤し、逃げ出したいと思ったことだって何度もある。

それでも私がグラウンドに通い続けたのは単純な理由。

今まで一緒に過ごしてきた同期と、もっと先の景色を見たい。
そして、こんな私でも必要としてくれる人たちのことを裏切りたくない。
みんなが楽しそうにラクロスをしている姿を見るのが好き。
適性とか存在価値とか、御託ばかりを並べて逃げるんじゃなくて、
私は私らしくこのチームの勝ちにこだわり続けると決めた。
それが私の本心であり、覚悟。

運命の武蔵戦が迫ってくる。
たとえ今の東大が困難な状況にあるとはいえ、これはあくまでも学生日本一への通過点だ。
23BLUE BULLETSはここで終わるようなチームではない。
最後に笑うのは自分たちだって信じている。

今こそBBの強さを見せつけてやろう。

4年AS 小澤 るの



向田さん 挿入

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