2006 畝川



『四年間』


2006/05/02



俺が東大ラクロス部に入ったのには、三つ理由がある。
一つは、大学生活において本気で何かに打ち込み、高い目標を達成して、
その喜びを独りで感じるのではなく、仲間と分かち合いたかったから。
そのために、強くて勝てる部に入りたくて、「日本一」という目標はまさにぴったりだったから。

一つは、心から尊敬できる、魅力ある人々が、先輩にも同期にもたくさんいたから。

一つは、「東大から日本へ貫く感動を巻き起こす集団でありたい」という理念にとても共感したから。
自分は感動を追い求める人間なので、周りに感動を与えられるようなこの集団でなら、
自分自身をも最大限感動させることができると思ったから。

そして、去年までは、大学生活で自分自身を最大限感動させる、というのがテーマで、
主にその感動を達成するためにラクロスをやってきたと思う。
そして、実際この部は、自分にとって大きな感動が得られる場だった。

去年、関東決勝でVゴールを決めて優勝したときはすごく感動したし、
いろいろチームに迷惑かけて申し訳ないと思う中でやっとチームに貢献できた一瞬だったから、
余計嬉しかった。
全日で慶應に勝って江戸陸に行くことが決まった時も感動したし、
江戸陸に立って日本一へ挑んでいるその瞬間も感動だった。
でも、日本一にはなれなかったから、
それを達成すれば自分はもっと大きな感動を得ることができるだろう。

だから、今年も更なる大きな感動を得るために日本一を目指す、というのは一つのモチベーションではある。

でも、今はそれよりもっと大きなモチベーションがある。

これまで自分がどうなりたいとか、何がしたいとか、何を得たいとかいろいろあったけど、
言ってしまえば、もう自分なんてどうでもいい。
東大ラクロス部には多くのことを学んだし、とてもお世話になったし、この部のすべてが大好きだ。
だから、自分の大好きなこの部がこれからもいい部であり続け、
10年後、20年後の後輩たちもしっかりと日本一を目指して楽しんでいられるように、
今年俺たちがしっかりと日本一を目指し、達成しなければならない。

一年の時、2003BLUE BULLETSがFINAL4で日体に敗れるのを何も分からないままスタンドで応援していた瞬間も、
二年の時、2004BLUE BULLETSが15点差をかけて臨んだ法政戦、ベンチ入りしても何一つできないまま見届けていた瞬間も、 三年の時、2005 BLUE BULLETS が日本一まであと一歩のところで敗れ去っていった瞬間も、
どの一瞬も、最後の最後まで日本一になれると信じていた。
このチームは絶対日本一まで突っ走ることができると信じていた。

それは、チームを引っ張る人たちが、
後輩に、見ている人に、そう思わせるだけの背中を見せてくれてきたから。
日本一を貫くだけの情熱を、根性を、努力を、魂を、しっかりと注いできたから。
東大ラクロス部には、これまで日本一を目指して必死に駆け抜けてきた先人たちの足跡が、しっかりと刻まれている。

そして、偉大な先輩たちがつないできた襷を、
今年は俺たちがかけている。
今まで受け継いできたものすべてを背負って、
今年最高のレースをしなければならない。
後輩たちがより最高のレースに臨めるように。

俺たちの背中が、2006BLUE BULLETSとなる。

日本一になりたい

2006年度MF長 MF#36 畝川学 『四年間』



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