Fsoul vol.1



『強さへの自信』


2022/12/07





サマーで負けたその瞬間の感情は今でも覚えている。
獨協の選手が喜んでいるのを見て空虚な心になっていた。
練習試合では勝てた相手に負けたことで自分たちが信じていた強さ、やってきたこと全てを否定されたような気がした。

そこからポジションが決まってチーム事情も変わり、上級生との合同練習が始まり、1年生だけの練習時間が減ったことで自分達の強さということを俺は見失った気がしていた。
その見失った強さへの自信を取り戻すには俺はかなり時間がかかった。
京大、獨協に勝ってもフルフィ始まったばっかだしな、とか早稲田に勝っても相手フルメンツじゃないし、だとかなぜか自分の中では今のチームを強いと自信を持って言えなくなってしまっていた。
このフレッシュマンソウルを予選と決勝の間に流すとコバさんに頼まれた時もその日に書き始めることはできず、勝ったら書こうという弱い気持ちでいた。迎えたウィンター当日でもその漠然とした強さへの不安がなくなることはなく、勝てると思ってはいたけれど、そんな相手だからこそサマーの時とまた同じことを繰り返すのではと思っていた。

それを全て吹っ切ってくれたのが能見のシュートだった。
ずっと競い合ってきた能見がシュートを決めた瞬間、ものすごく嬉しかったし同時に自信が湧いてきた。1年生のロングがシュートを決めれるチームが強くないわけがない、と。そこからは早かった。オフェンス時間が長く、たくさん点をとってくれるのも、クリアライドが成功し続けるのも、点を取られないのも全部俺たちが強いからなんだと思えるようになった。先輩たちからの声援、落ち着いたコーチからの声掛け、マネージャーたちの正確なタイムコール、全てが俺たちの強さに繋がっていることに気づいた。だから青学に先制されてもオフェンスが取り返してくれるはずだと勝つ自信しかなかった。

みんなはもっと早くから認識してたかもしれない。
俺たちは強いんだ。
昨日だけじゃなく今まで勝って来れたのも全て俺たちが強いから。
俺はもう明治も早稲田もどこも怖くない。俺たちが日本で一番強く、完成度の高い一年生だってことを知らしめてやろう。
行こう、俺たちを止めるものは何もない。突っ走って頂点まで駆けあがろう。



1年 DFリーダー高橋慧


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