vol.04 4年FO#25 佐藤隆己「突き動かすもの」



突き動かすもの


2020/10/04





言葉は自分の考えたことや感じたことを表現するためにあるらしい。

スローガンが「表現」に決まったとき、「自分は何を表現したいのだろう」と自問自答してみたものの、良い言葉を見つけられなかった。 心の中にある、自分を突き動かす何か。

夜、誰もいない公園でフェイス練をしようと思わせる何か。

一本早い電車に乗るために、乗り換えで俺を走らせる何か。

入部を決めたとき、自分を突き動かした何か。

その何かを表現したいと思ったが、それをどんな言葉で表現すればいいかすごく悩んだ。

先に書かれたみんなのブログを読んで、3人がそれをしっかり見つけて言葉にできていることに感動した一方で、未だにうまく言葉を見つけられない自分が恥ずかしくなった。

自分を””突き動かすもの””を表現する適切な言葉を考えていくなかで、色々な言葉が思い浮かんできた。



「楽しい」

上手くいかないことばかりだけど、ラクロスは本当に楽しい。怪我してばっかで下手くそな俺でも楽しいんだから、ラクロスって本当に最高のスポーツなんだろな。なんだかんだ楽しいのは一番大切だと思う。



「感謝」

名前を挙げきれないほど多くの方に感謝しているけど、ここではたかと大田に、いつもありがとうと伝えたい。直接言うのはちょっと照れ臭いから多分口に出すことはないけど、本当に本当に感謝してます。ありがとう。



「悔しい」

怪我でやりたいことができず、周囲は進んでいくのに、三歩進んで二歩下がるを繰り返している自分が悔しかった。



「腹立たしい」

怪我を言い訳にして、頑張りきれない自分に腹が立った。怪我なんて僕が抱えるたくさんの問題のひとつに過ぎないのに、そのひとつを理由にして他の問題までサボってた自分がいた。



「恥ずかしい」

下手な自分が恥ずかしかった。でも、途中で逃げ出すのはもっと恥ずかしかった。あまりポジティブな感情でないのはわかっているけど、正直、恥ずかしいという気持ちに動かされた日も多かったと思う。



「憧れ」

日本一を目指している先輩たちがカッコ良かった。入部したときに憧れていたのは日本一じゃなくて、日本一に向けて全力で努力している先輩達だったと今更ながら思う。俺はまだまだそんな存在になれそうもない。



色々書き連ねてみたけど、どの感情も間違いなく自分を突き動かしたものだ。でもこれが全部ではないって思うし、どこかありきたりな表現になってしまった気がした。 それはシンプルに俺の日本語が下手なのもあるし、多分、自分でも自覚していないこととか、うっすら自覚していても他人には話しにくいこととかもあるのかもしれない。

でも、そうじゃなくて、言葉にしたことで削ぎ落とされてしまうものがあるんだと思う。言葉というものは、そういう余白を生んでしまうものなのだろう。

だから、ずっと考えていた””突き動かすもの””を言葉で表現するのは諦めた。

残り少ない時間だけど、チームのために、33期のために、自分のために、その言葉にできない衝動をただプレーによって表現していく。

俺の表現したいことは、言葉にならない衝動。

日本一に向けて俺を””突き動かすもの””は言葉ではなく、ラクロスによってのみ表現される。



4年FO #25 佐藤隆己