40期あすなろブログ vol.2



【2025年度40期あすなろブログ】vol.2


『ただいま』


2025/05/05
2年/#8 池田 高啓





ウィンター前日のことは、はっきりと覚えている。
暗がりが濃くなってもうボールが見えなくなった駒場の壁の帰り道、「俺たちは優勝に値する権利があると思うんだよな」って、祈るように言葉を絞り出した澤村に僕は激しく同意した。
夏のオフが明けフルフィールドが始まって3ヶ月間、ウィンターに向けて溜め込んでいった技術と自信は、練習試合で勝ちを知り、手応えを得る中でぼんやりと浮かび上がってきた優勝という目標と、40期で過ごした時間の長さによって、確固たるものへと変わっていった。

そうして得られたウィンター直前のあの自信、あの期待、あの興奮を忘れられない。 では、今あすなろを直前にして同じような感情を抱けているかというと、正直その実感があまりない。
誰かがいつかの同期mtgで、「あのウィンター以上に俺たちを熱狂させられるものは、おそらく無い」って言っていたことをふと思い出した。こんな弱気なこと言いたくは無いけれど、その直感は正しいのかもなと思うことの方が多かった。

4月に入って突然出てきた参加の可能性。参加するか否か、回答期限は2日。zoomでの緊急同期mtg。この時はまだ、40期だけであすなろを戦うということが、それはつまり技術面もチームの士気も、自分たちで大会に向けて最高潮に高めていくということがどれだけ大変かということをわかっていなかった。そしてFコーチの存在の大きさを実感した。
参加を決めてからの時間はあっという間に過ぎた。毎朝他の学年よりも早く集まって6on6をするものの、どうもそれがタスク化してしまっているような気がしてうまく波に乗れていなかった。

しかし最近、そんなチームが確実に変わってきた。
久しぶりに40期だけで戦った早稲田戦。40期で組むボイス、奏輔と笹と一緒にOFコートに入った瞬間に、これだっていう感覚があった。
あの頃より何回りも頼もしくなったDFを眺めていて口角が上がった。
怪我人たちも復帰が相次いて活気が戻ってきた。毎朝6時集合になって朝一番にグラウンドに集まる40期の姿、練習中の1つのナイシュー、1つのグラボに歓声を上げる40期の姿を見て、これだったんだっていう感覚があった。

明日、僕たちは成長し続けるだろう。今シーズン各々が成長させてきた技術に加え、これまで1年間Fチームで形作ってきた40期の質感を取り戻し始め、40期のラクロスで再び勝負に出る。

完成させるにはあまりにも短すぎた。波に乗るまでに何度も遠回りした。それでも構うもんか。

「ただいま」
って心の中で叫ぶ瞬間が、このあすなろ期間、きっとみんなの中にあっただろう。

あるいは明日、僕たちが1ヶ月間探し求めてきたものを感じ取り、共有する瞬間が必ずあるだろう。
いや、今僕はそれがどんなものかを実感し始めている。きっとみんなもそうだろう。

僕はそのことに自信を持ち、期待し、興奮している。

今度こそ笑って終わろう。
冬の大宮で味わえなかった満面の笑みで。

40期 池田 高啓


 

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