37期インタビュー企画AS 廣瀬



AS 廣瀬翔大


2024/02/19
(聞き手38期米今)

まず自己紹介をお願いします。

AS (アナライジングスタッフ) をしている廣瀬翔大です。大学では工学部で化学を勉強しており、先日4年次から所属する研究室も決まりました。ラクロス部に関していうと、もともと一年生までは選手でしたが、気胸やコロナが重なり一度チームからは退きました。ですがBBの先輩やチームが好きだったことや先輩に誘われたこともあり、2年の夏からASとして部に戻ってきました。

向田さん 挿入

選手からスタッフに転向する際、なぜASを選ばれたのですか?

そうですね、一年生の頃選手だったこともあり、多少のラクロス知識があったことと、審判をやってみたかったからというのが大きな理由です。東大にAS組織を確立させ、さらに審判としても活躍していた木戸さんがASだったことにも影響を受けています。

木戸さんととても仲がいいですよね(笑)

つい最近も飲みに行きました(笑)。木戸さんは、自分が一年の選手の時から気にかけてくださっていて、選手の時から審判やらないかと誘われていました。それが結構自分の中では大きく、木戸さんの誘いがなかったら多分今ここに居ないだろうなと思います。木戸さんには感謝でしかないです。

素敵な師弟関係ですね。廣瀬さんの中では、ASと審判という2つの軸があるのでしょうか?

どちらかというと2本の軸というよりは、メインはASで、審判は自分のためにやっていますね。審判はあくまでプラスαという感じです。

なるほど、審判は自分のためということですが、以前上級審判まで昇級されていますよね。なぜそこまで熱意を持って取り組めているのでしょうか?

選手と同じフィールドに別視点から立てるということが審判の一番いいところだと感じています。選手と一緒にいい試合を作っていく過程で審判は必要不可欠な存在と感じていて、そこに面白みを感じています。また、審判としてスキルアップを感じる場面も多く、個人としてもやりがいを感じることができていますね。

次にAS業についてもお聞きしたいです!今取り組まれていることを教えてください。

今はまだ他校のスカウティングが始まる前なので、自分の取りたいデータを取っています。例えば、パスやクリアの基準を算出して、最終的にチームとして到達しないといけない基準づくりなどですね。例えば去年の法政のクリアなどはかなり特徴的で、奪ってからの速さや前への推進力が印象的だったので、現状の東大との比較を数値で見てわかるようにしていきたいと思っています。

廣瀬さんは取ったデータを活かしていく点でも優れているなと後輩として感じています。

ありがとうございます(笑)。目指すべき数値が見えるか見えないかとでは、チームとして結構大きな差が出るのではないかと思っているので、選手の体感と実際の数値の比較を通して良し悪しを客観視してほしいと感じています。だからこそ客観視できるところでちゃんと幹部やチームにASとしてできることをデータとして還元し、今のチームの状況を示さなければならないという責任も感じています。

向田さん 挿入

4年生になった今、何か思うことはありますか?

今東大に置かれている環境がどれだけ素晴らしいか感じるべきだと強く思っています。前のインタビュー企画でウォルシュ君の言っていたことと被りますが、自分も審判で1部校以外の試合を見ることが多く、その中でスタッフの多さや現役・OBの母数、立地など、自分たちがどれだけ恵まれているか実感しました。キャンパスとグランドの距離に関して言えば、都内では東大よりいいところは学習院や日体以外にあまり思いつかないですよね。
だからこそ、東大が今関東の1部にいるから1部のことしか見ないということは違う気がしています。2部3部には、なぜこの環境でこんなにも上達するのだろうと思うようなすごい選手も沢山いて、それが逆になぜこんなにも整った環境で東大にできないことがあるのだとうと自分達自身を振り返るきっかけになっています。各校の選手のラクロスに対するマインドに驚かされることも多いですね。

何か印象的だった試合はありますか?

去年初めて群馬大学が玉川大学との合同チームという形で3部のリーグ戦に出場した試合が印象に残っています。試合自体は大差で群馬大学側が負けてしまったのですが、リーグ戦に出れること自体に対する嬉しさが外から見ても溢れちゃっていて、勝ち負けよりも、リーグ戦でチームを率いてラクロスを楽しんでいる群馬大学の主将の姿が、本当に素晴らしいなあと思ってしまいました。
もちろんラクロスは勝ち負けにこだわるべきスポーツですが、それ以外にも大切にすべき面があるのだなと気付かされ、そういうマインドを持つ人たちと共に一審判員として試合作り上げることができた経験は、今振り返っても大きな経験だったと感じています。
他にも、筑波大学はおそらく関東のリーグの中で都内から一番離れている上にスタッフが少ないという環境で、試合中は選手がユニフォームを着てベンチに入ってタイムのカードを掲げている様子も印象に残っています。そんな状況でも、チームの置かれた環境でベストを尽くし、リーグ戦にしっかりと向かっている姿には感じるところがあり、自分のいるBBというチームを振り返る契機になりました。

37期の率いる今シーズンは東大外やラクロス界全体に目を向ける人が多いと感じています。

そうですね、自分も審判をするまではどのチームが2部に所属していて、どのチームが3部校なのかさえ知りませんでした。外に目を向ける中で、外から見る東大の良し悪しが客観的に見えてきて、BBとして日本一を目指すと掲げている以上、それなりの振る舞いをしないといけないと思うようになっているのだと思います。運営や応援してくださる方々へのリスペクトは絶対忘れてはいけないと思うし、リスペクトの欠片もないチームが逆に日本一を取ってもいいのか、ラクロスさえできれば、強ければ、日本一に値するのかという部分はよく思ってしまいます。

今のチームはその部分を達成できているでしょうか?

もちろんある程度の余裕がなければ、周りに目を向けられない部分もあるので難しいですよね。どのようにリーグ戦のグラウンドが抑えられ、どのように日程が組まれて、それは誰がやって、どれだけの労力がかかっているのかという運営の部分や、社会人の審判の方が休日を返上してまで派遣に来てくださっている背景などの部分を、他人ごとで終わらせず主体的に考えて、色々な物事の背景を考えていけるような人が増えたらいいなと。その点ではウォルシュ君などがとてもいい起爆剤になってくれているので、そういう人がもうちょっと現れてくればより良いチームになるのではないかと考えています。ラクロス以外の部分がちゃんとできるチームっていうのは愛されるし、愛されないチームっていうのは自分としては嫌ですね。昨年の日体のように応援したくなるチームを作り上げることは相当大変だと思いますが、そういうチームは仮に学生日本一を取れなかったとしても別の意味での日本一に値するのではないかと思います。

向田さん 挿入

ありがとうございます。最後になりますが、4年になった今スタッフ組織に対しても思うことがあればぜひお聞きしたいです。

「スタッフは最後、試合に出場することはできない」とか、「チームのために貢献する」とか、よく聞く言葉ですが、これには個人的に違う考えを持っていて、もちろんチームのためにしなければならないことは沢山ありますが、スタッフはもっと自分のためであってもいいはずです。いいスタッフ像として、チームの為に尽くすというマインドはよく重要視されますが、自分自身は人生を自己満足として捉えて生きている性分なので、自分にとって楽しいかどうかも実は結構重要なのではないかと感じています。

確かに廣瀬さんは自由にのびのびと楽しく部活に取り組んでいますよね。

そうですね。データも自分が取りたいと思って取っているので、自己犠牲も時には必要ですが、やらなければならないことをしっかりやりつつ、自分のやりたいことも自我を出してやっていけるような人がスタッフにいてもいいのではというふうに思っています。

廣瀬さんが心から部活を楽しんでいる姿に私自身もいつも刺激を受けています。貴重なお話をありがとうございました!

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