『花丸』
2024/12/13
【2024Fウィンターブログ企画 vol.26】 澤村 義景(MF)
高校を卒業する時、中高6年間を漢字一文字で表す、という企画があった。僕は「丸」を選んだ。
「ままならないことの方が多かったけれど、それでもここにいられてよかった」という言葉を添え
て。部活も行事も遊びも、色々と後悔の多い6年間だったから、全部を肯定することはとてもでき
なかった。でも全否定するのはあまりに酷だったし、僕は自分の高校が好きだったから。せめて6
年前にそこに入ると決めた自分を称えようと思って選んだ字だった。悲哀とプライドを投げやりに
詰め込んだ、歪な丸だった。
大学生になってBBに入って、今また僕は同じことを繰り返そうとしている。壁打ちも発展も筋トレ
も、全てが中途半端で、不完全燃焼。いつも終わってから気づくんだ、求めていたのはこんなも
のではないって。
ウインターまであと8日。カレンダーのすぐ下の段には21の数字が躍る。もう遅い。もう遅いんだ
よ。自分が一番わかってる。無条件で全部受け入れるには、あまりに無駄にしすぎた。
もう勝つしかない。もう活躍するしかない。ミスした自分も寝坊した自分も肯定するには、それし
か残されてない。
あと8日しかないというのならせめて、やりつくせよ。この8日間に自分は微塵も後悔はないと、
胸を張って思えるくらい。壁打ちも発展も全部、ちゃんとやれよ。そしたら少しは強くなれるだろ。
12月21日の大宮で僕たちの冬が終わった時。勢いで入部宣言をして3秒後に少し後悔した4月
のいつかの僕だけではなくて、この9ヶ月間の全ての僕を、精一杯抱きしめてあげられるように。
やるせなく描いた歪んだ丸ではなくて、笑って描いたとびきりの花丸を、僕自身にあげられるよう
に。
俺が、勝たせる。
