『決別』
2024/11/30
【2024Fウィンターブログ企画 vol.13.2】 中園 碧人 (DF)
人生で何かに熱中できたことがなかった。12年間続けたサッカーにも本気で取り組んだと言える時はなかったし、かといって本気で勉強できるわけでもなく、趣味を追求できるわけでもない自分に辟易していた。高校を卒業して大学に入ってそのまま惰性で卒業していくだろう人生に怯えて、気づけばラクロス部に飛び込んでいた。
それから辛い日々が始まった。もともと早起きが苦手なほうで朝起きるのはとても辛かったし、社交的な方ではない自分にとってはチームに馴染むのも簡単なことではない。話しかけてくれる仲間に自分を見せられないのが辛かった。学生の身で運動ばかりしていていいのかと何度も自分に問うて、その問い自体が逃げなのだと気づいてどうすればいいのかわからなくなることもあった。毎日弱い自分を見せつけられ、逃げたくないという気持ちだけで続けていた。
けれどそんな日々は少しずつ変わっていく。朝早く起きることにも慣れて自信がついてきた。仲間と打ち解けて、一緒に過ごす時間をとても楽しいと感じるようになった。先輩たちの背中を見て憧れた。ラクロスそのものを楽しむことができるようになってきた。勝利への思いが強くなった。今の自分を肯定できる瞬間が、少しずつ増えていった。
今なら自信をもって言える。ラクロス部に入ったのは間違いではなかったと。あとはサマーの借りを返すだけだ。最高の仲間たちと勝って、弱い自分と決別する。ウィンターまであと三週間、全力で走り切って勝とう。
