【2024ブログ企画 vol.25】 ウォルシュ冠 (4年/LSM)



『ニュートンの時計』


2024/11/5


                        

【2024ブログ企画 vol.25】 ウォルシュ冠 (4年/LSM)



「本当に好きな建築については、その細部を言語化したくない。言語化することで感動が薄れると思うから。」
春先、長い改修を終えた学科の名誉教授でもある香山壽夫先生作の劇場のシンボルタワーが数年ぶりに目に入りかけた時に友人にかけた言葉だ。



2024 ブログ企画
ウォルシュの番はとうに過ぎたはずだった。
MGに提示されていた提出期限は2か月前の9月3日。



書けなかった。



言葉にすることが、リアルな感動として存在するこの感情を、
客観的事象として自分の中のどこかに綺麗事として仕舞ってしまうことになるのではないかと思った。
その引き出しをいつかは忘れてしまうのが怖かった。

ラクロスというものが、ラクロスへの感情が、言語化を強制されるにはあまりに複雑で、残酷で、素敵すぎるものだと思った。

学生ラストシーズン。
ラクロスと過ごした4年間をついに清算しなくてはいけない気がして、その事実から本気で逃げようとした。

今の時間が永遠に続くものだと信じて疑わないことにした。





時間。
こんなにも自分を魅了してきた概念は他にないだろう。



ブログと向き合って2ヶ月が経ってもなお、真っ直ぐにラクロスと向き合い、言葉にする準備はできていないので、
「時間」という概念に包んで入れ替え戦へと向かう自分の心の内を記そう。





クリスチャン・ホイヘンスが1656年頃振り子時計を完成させると、「時間は常に一定の速さで流れる」という概念が広まりました。
そして、イギリスの科学者アイザック・ニュートンは
「宇宙のどこに置かれていても、すべての時計は、無限の過去から無限の未来まで変化せずに同じペースで同じ時間を刻む」
という「絶対時間」の概念を基に「ニュートン力学」を打ち立てていきます。



仲の良い人は、自分の口から何度も聞いたことがある話かもしれない。

初めてクロスを握ったあの日も、
たかやさんにBチームみんなでブチギレられたいつかの年明けも、
去年のFINAL4のあの瞬間も、
連敗に連敗を重ねた今シーズンも、
自分たちとは関係なく単調に進む時間があったんだと考えるのが素敵だと思う反面、やっぱり全ての時間が同じように進んでいると信じることに納得ができない。





この4年間、一瞬で過ぎ去った時もあれば、止まったかのように抜け出すことのできない時もあった。



ニュートンの時計とは違う進み方をする時間がある。



24 Blue Bullets に、自分の学生ラクロス人生に残された時間はどのくらいだろうか。
ニュートンはそれを5日、120時間、7,200分、432,000秒と言うかもしれない。
でもそれに、ニュートンの時間には、なんの意味もない。



今まで学生ラクロスが自分に与えてくれたものは計り知れない。
環境に、周りの人に生かされてきたラクロス人生だった。
最後の最後まで学生ラクロスが、Blue Bulletsが、自分に与え得る全てを奪っていくつもりだ。
残された時間が、まさか今までと同じ一定の速さで進んでいるとは思えないくらい、ものすごく長く、ありえないくらい濃いものになるように。
世界で1番長い5日間を過ごそう。







引退したくない。







その裏にある感情が、入れ替え戦への恐怖なのか、残された時間への希望なのか、ラクロスへの愛なのか、変化への不安なのかは知らないし、知るつもりもない。



何事にも終わりがあるのが良い。終わりがあるから頑張れる。

ほんとかよ

やっぱり、絶対時間のように、自分のこの時間も無限の未来へと永遠に続いてくものであって欲しいと俺は思う。
素晴らしいのか残酷なのか分からないここで、みんなで、永遠に笑って、泣いて、感情を分かち合っていたい。

だけど、11月10日
Blue Bullets での、学生ラクロスでの時間が本当に終わりを迎えるのだと言うのなら

最後くらい、
1年間、高次元メニューに満足に入れさせてあげられなかった2年のあいつらのために
最後くらい、
毎試合見に来てくれる、アツくてアホで優しいラクロッサー仲間たちのために
最後くらい、
いつもその苦悩を隣で見てきた川嶌が、笑えるように、報われるように
最後くらい、
ニュートンが戻らないと言い張るこの4年間に、自分は一切の後悔は無いと胸を張れるように



この章の終わりとして、



覚悟を示そう。





2024 ブログ企画も遂に次回 vol.26で最終回を迎えます。
堂前さん。
上がり切ったハードルに躓かないように。

向田さん 挿入

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