『意地』
2023/07/29
ついに、明日。待ちに待ったリーグ戦が始まる。
去年の10月2日、自分が連続失点を許し、早稲田に負けたあの日。敗北の瞬間、やらなかったことへの後悔、大好きだった35期と一緒にもうラクロスが出来なくなってしまうことへの寂しさが一気に込み上げてきた。
もう二度と同じ思いをしないため、あの日の悔しさを晴らすために自分の23シーズンは始まった。
負けたその日、御殿下グラウンドで赤近さんにこんな言葉をもらった。
「人は悔しさなんて1ヶ月も経てば忘れてしまう。でも、俺は去年小早川さんを学生日本一にしてあげられなかった悔しさを忘れないで1年間やってきた。だからお前もこの悔しさを来年まで忘れないで頑張って欲しい。」
あの日の悔しさとこの言葉が、ずっと自分の大きな原動力になってきた。何度も思い出しては、自分を奮い立たせてくれた。
あれから約10ヶ月。心に深い傷のように刻まれたあの悔しさは、今も消えていない。
でも、最近一つ気づいたことがある。
今の自分を突き動かしているのは、もう悔しさだけではない。
自分を信じて付いてきてくれた後輩たちに自分と同じ思いをさせないため。
同じ夢を追いかけて4年間一緒に頑張ってきた同期と最高の景色を見るため。
そして自分を色んな所で支えてくれた人たちに恩返しをするため。
気づけばたくさんの理由ができていた。
このたくさんの理由のために、何がなんでも結果を出さなければならない。
だが、自分の現状はどうだろうか。残念ながら自分は赤近さんのようにはなれなかった。自分はまだまだ弱い。
自分の限界をどこかで決めつけて、目の前のことをこなすだけで簡単に満足してしまっていた。
貪欲さを失って、現状に満足してしまっていた。
今終わったら、きっと後悔することもあるかもしれない。しかも、それを本気で自覚出来たのは最近の事だった。
ただ、幸いにもまだ時間は残されている。これから始まる長いリーグ戦期間。当然まだまだ成長する。どこの誰よりも成長する。
最近の試合での自分のパフォーマンスがどうとか、明日はそんなことは知ったことではない。自分の弱さに向き合って、本気で取り組んできた。とにかく目の前の勝負に全力で挑む。そして絶対に勝つ。
これはもはやただの意地。
副将としての意地。
DF長としての意地。
4年としての意地。
去年からスタメンとしてリーグ戦に出続けてきた者としての意地。
意地でも勝つ。
有難いことに、このチームには頼れる仲間がたくさんいる。本当に毎日120%でやってるんじゃないかってやつらが何人もいる。こいつみたいになりたいって思えるやつらがいる。明日はそんな仲間を信じて、ただひたすらに守る。皆が辛いときには、自分が支える。
いま、チームは最高の状態だと思う。明日どんなことが起きたとしても、余裕で勝てるだけの準備はしてきている。自信を持って戦おう。
一緒に頑張ってきたDF陣の皆へ
皆は今緊張しているでしょうか。何故だか全然緊張してなさそうな顔ばっかり思い浮かぶけど、もし緊張していても大丈夫。コロコロ変わる半ば理不尽な要求にも全て応えてくれた皆は、今や物凄い柔軟性と対応力を持ち合わせています。だから、明日はどんなことがあっても大丈夫。いつも通りやろう。
改めて、これまで付いてきてくれてありがとう。情けない姿もたくさん見せてきたと思う。それでも信じて付いてきてくれて、時には助けてくれて、本当にありがとう。
そして皆本当によく成長してくれました。正直初めは不安ばっかりのスタートだったけれど、今はもう頼もしい限りです。
ssdf陣はスタート自体遅かったのに、厳しい要求にも全力で応えてくれて、もう安心して表を任せられるようにまでなってくれました。
発展で大体一番最初に俺に指摘される野島に、体重は全然増えないけどセンスがピカイチの乙部。
そして誰よりも頑張り屋さんなきょうすけ。
急なLSM転向を受け入れてくれて、すぐに適応してくれた器用な播磨。
いつもチームの雰囲気を盛り上げてくれて、たまに人が良すぎるせいで守れないらしい響平。
ずっとニヤニヤしてるかうつむいてるかで何考えてるかイマイチ分からないことが多いけど、負けず嫌いで心の中にアツいものを抱えてる徳橋と能見。
向上心があっていつもアドバイスを求めてくるさとし。
試合中も練習中もいつも助けてくれるふみや。
大怪我に負けないでストイックに頑張り続けてきたなおみ。
対等な立場でDF組織のことを一緒に考えてくれて、試合中ピンチを何度も救ってくれるこうせいに、着実にクリア力もセーブ力も伸ばしていった努力家の向山。
あとは俺がエースを止めれば最強のDFの完成です。
皆が苦しい時、絶対に俺がなんとかするから、頼ってください。
同期へ
面と向かっては言えないけど、この歳になっても一緒にバカなことをできる皆が、同じ目標に向かって本気でぶつかり合いながら努力できる皆が、本当に大好きです。皆と過ごしてきた日々は一生の宝物です。まだまだ来年まで、一緒にラクロスやろう。
そして、絶対にふみやをFinal4、Finalの舞台に連れていこう。
後輩の皆へ
今年のチームは後輩が突き上げてくれる所が本当に良いチームだと思う。自分自身ふとした瞬間に色んな後輩から刺激をもらっていました。そのエネルギーのまま、どこまでも走り抜けていって欲しい。
後輩の皆は全員明日が初めてのリーグ戦で、すごく緊張するかもしれないけど、多分もれなく4年の方がもっと緊張してると思うので、ある意味安心してください。のびのびプレーしてくれれば大丈夫。どんなミスをしたとしても俺らが全力でカバーします。
TSの皆へ
今年のTS陣は本当に頑張り屋さんが多いなと感じます。
MGもTRもASも、みんなから自分がチームを勝たせるんだっていうアツい情熱を感じて、「この人たちのためにも絶対に勝たなきゃな」って思えるような、そんなリスペクトできる人達がいっぱいいます。
みんなのおかげで選手は最高のパフォーマンスを発揮することが出来ます。明日もいつも通り、よろしくお願いします。
お世話になった沢山の先輩方へ
1年生の時にお世話になったFコーチの鍛冶さん達に、2年生の頃にAチームで面倒を見てくれたこばさん、笹原さん、金井さんら34期の先輩たち、3年で一緒に戦ってきた35期の先輩たち、そして今年もお世話になっている細谷さんを始めとしたコーチ陣。
他にも色々な場面で関わらせて頂いたOBOGの方々や、まだ直接お会いしたことはないOBOGの方々など、ここに名前を挙げきれないくらい、本当にたくさんの先輩達のおかげで今の自分があります。
皆さんの期待や思いを背負って、そして力に変えて全力で戦います。
いつも支えてくれている両親へ
健康な体に産んでくれてありがとう。
いつもなんだかんだ言って結局ワガママを聞いてくれてありがとう。
いつも誰よりも心配をしてくれてありがとう。
おかげで最高の環境で、4年間ラクロスをすることができました。後悔を残さずに、全力でやりきる事が精一杯の恩返しだと勝手に思っています。多少無理しちゃうかもしれないけど、最後の大舞台、いつも通り近くで見守っていてください。
ここには書ききれなかったけど、他にもたくさんの人達の支えのおかげで今の自分がある。
関わってくれた全ての人達への感謝を胸に、明日は全力でプレーをする。
そしてそれはきっと相手の明治も同じ。
最大限のリスペクトをもって、正々堂々叩き潰させてもらおう。
4年LG#56 副将 吉田健人