2014 column vol4



4年 MF#18 島田 和輝


2014/10/27

向田さん 挿入

転機
俺がラクロス部に入って一番変わったと思うのは、3年の時。当時は幸いAチームにずっといることが出来たけど、学科の勉強もすごく忙しかった。夜遅くまで学校に残ったり、泊まったりすることが多くなって、すごく辛かった。やらなきゃいけないことがいっぱいあって、筋トレも自主練も全然できなかった。ただでさえAチームで下手くそで、先輩から怒られることも多くて、なのに筋トレも自主練も出来ないのがすごく嫌で。
そんな状態だから、学科の課題も中途半端な気持ちで臨んでた。部活も中途半端だし、勉強も中途半端。なんで俺こんな生活送っているんだろうって、夜中学校からの帰り道、自転車こぎながら何回も泣きそうになった。

そうしているうちに、「だめだな俺、全部中途半端だな」って思うようになって、でもラクロスも都市工学科(*1)も俺が好きで選んだんだから、とりあえず全部頑張ろう、と思い直した。それからは、自主練も出来ないし筋トレも出来ないけど、だからこそ俺は正規練で一番上手くならなきゃいけないんだっていう気持ちで正規練に臨むようになった。
だけど、正規練終わって教室に行くと、その時はもうラクロスのことは全く考えないようにして。そうやって、授業の時は授業、部活の時は部活に集中することにした。そうすることによって、ラクロスに充ててる時間は少ないかもしれないけど、俺はもうやるべきことを全部やってるから、誰にも負い目を感じることなくラクロスをやろうって考えられるようになったし、自分がどんどん上手くなっていくのがわかった。授業をサボってばかりだと、それだけ部活に打ち込んでると思ってくれる人もいるだろうけど、やっぱり中には、こいつ大学まで来て何やってるんだろうって思う人もいると思う。俺はそれがすごく嫌だった。ラクロスを応援してほしかったから。だから、全部頑張って何にも文句言えないような状態にするっていう一番の理想に向かって、頑張るようになった。中途半端にしないようにしよう、自分に出来ることは全部やろうって、すごくいいスパイラルで、いいメンタルで練習出来ていたと思う。
なるべく言い訳はしない。弱音は吐かない。とにかく、頑張る。そんな風にやっていたら、すごくいい方向に変わっていったし、その状態が今でも続いてる。

後輩でも堀(*2)とか大霜(*3)は建築学科に行ったし、きっと俺よりも辛い環境に置かれることになると思うけど、全部頑張るっていう気持ちで頑張ってほしいな。別に練習時間が少ないからって上手くなれないと感じる必要は絶対ない。むしろ時間が短いからこそ、より集中して練習できるはず。もちろん堀も大霜も好きで建築選んだと思うから、たとえ授業が忙しくてラクロスができる時間が少なくたって、それを引け目に感じないで、とにかく授業も部活も手をぬかないで頑張ってほしいな。

(*1 工学部都市工学科。)
(*2 29期(2年)LG#6堀友洋。後期課程では工学部建築学科に進学。)
(*3 29期(2年)AT#11大霜潤也。後期課程では工学部建築学科に進学。)

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責任
去年のベルリン遠征(*4)中のミーティングで、にしやんさん(*5)に、「しまちゅー(*6)は下手くそで練習中もミスが多いけど、そのミスで今シーズンが終わるかもしれない」って言われたのが、すごく心に残ってる。
その時までは、俺は下手くそだからAチームには入っているけど中心的なメンバーではないし、あまりチームの勝敗に関わることはできないと思っていたから、チームの勝利に対してすごく無責任だったと思う。でもそう言われて、「ああこれじゃいけないな」って気付いた。26期が好きだったから、ずっと一緒にプレーしていたい、俺のミスでシーズンが終わっちゃうのは嫌だなって。ミスをなくすことは出来ないかもしれないけど、俺にできることは精一杯やろうって思った。

今は、自分が頑張って勝たせなきゃいけない。試合に出られない人がたくさんいる中で、チームの代表として試合に出るからには、自分の一つ一つのプレーに責任を持ってラクロスをしなきゃいけない。100人以上いるチームで、その中の代表の20人くらいで試合出られるのは幸せなことだし、だからこそチームを勝たせる責任があると思う。誰が見ても、しまちゅーさんじゃなくて俺が出たらいいのにな、なんて思われないように。あれでだめだったらしょうがないと思ってもらえるように。

もともと俺は弱気な人間で、どうせ失敗するって言っておけば、失敗してもあんまり怒られないかな、と思ってた。
でも結局それは責任から逃れてるだけ。それじゃいけないって気づいた。それだけで練習への気持ちの入り具合も変わるし、本当に俺がチームの代表なんだって考えたらすごく責任感を感じるようになった。それも成長できた要因の一つかな、と。2年生とか3年生だと難しいかもしれないけど、Aチームにいるからには代表としての責任があると思うから、後輩にはそういうことも考えてラクロスをしてほしいな。

(*4 2013年度に行われた、ドイツ・ベルリンへの遠征。)
(*5 26期西山悠太朗。2013年度クリア長。)
(*6 島田の愛称。)

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4年生として
去年シーズンが終わってから、舟橋さん(*7)や拓朗さん(*8)が、「今年は4年で負けた」と言っていたのを聞いて、今年は4年が頑張らなきゃいけないと思った。とにかくもっと頑張らなきゃいけない。俺は積極的に喋る方ではないけど、4年としてこのチームにとって俺に何が出来るかを考えた時、後輩は練習すごくきつくて嫌になることもあるけど、そこで4年生が文句ひとつ言わないで頑張ってる姿を見せようと思った。それからは、ラントレも人一倍頑張るようになった。後輩が、しまちゅーさん頑張ってるから俺も文句言えないなって思ってくれたらいい。そして、すごく練習辛くて、とってぃ(*9)に怒られて、苦しくなってるときに支えてあげたい。がつがつしてる先輩だけじゃなくて、後ろで優しく見守ってる先輩っていうのもいなきゃダメなのかなって思うから、俺はそっちで頑張ろうと思う。

去年は練習中に舟橋さんにすごく怒られて、でもだからこそ頑張れた。本当に俺は26期にお世話になって、ずっと一緒にラクロスをしていたかったから、FINAL4は絶対に負けたくないっていう気持ちで試合に臨んだ。俺は舟橋さんみたいに厳しく言ったりできないけど、後輩がこのチームでずっと試合したいって思えるようなチーム作りをしたい。チームを好きになることが勝ちに繋がると思うから。

(*7 26期舟橋光。2013年度副将。)
(*8 26期増田拓朗。2013年度DF長。)
*9 27期(4年)MF#69都外川識志。2014年度主将。)

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FINAL4に向けて
最初は俺は大学で運動部に入るつもりなんて全くなかった。大学に入ったら、バイトして、お金を貯めて、旅行に行きまくりたいなって思っていたくらい。でも、新歓の時期に体験会でラクロスを初めてやって、すごく楽しくて、それだけで入っちゃった。だから、1年の時は練習が辛くて何度もやめたくなった。俺はどちらかと言うと闘争心に欠ける性格だから、始めは全然日本一になりたいなんて考えられなくて。
それでも部活を辞めなかったのは、ラクロスが楽しかったのももちろんあるけど、何よりも、既に同期が好きになっていたから。部活を辞めて、気まずい関係になるのが嫌だなと思った。それだけで続けていた時期もあった。でもラクロスって、リーグ戦さえ勝ち抜けば、勝てば勝つほどシーズンが続く。だから、チームが好きだとそれだけで勝ちたいって気持ちに繋がる。それに気づいて、俺も勝ちたいっていう気持ちがだんだん強くなって、4年間ここまで続けられたんだと思う。

FINAL4の相手である慶應はめちゃくちゃ上手いし、見れば見る程いいチームだと思ってしまう。だけど、俺は、一日でも長く、このチームでラクロスがしたい。一日でも長く、今の仲間と一緒にいたい。BLUE BULLETSが好きだから、勝ちたい。

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