『世界に変革を望むのならまず自分が変われ』
2006/9/1
2005年東京大学ラクロス部男子「BLUE BULLETS」
全日本選手権準優勝の大躍進の年
俺はBチームだった。
関東学生決勝 vs慶應義塾大学
歴史を変えた勝利の瞬間に、まったく喜べない自分がいた。
歓喜の渦の中、バックスタンドでビデオを撮っていた俺はただ悔しかった。
自分にもあそこで輝く可能性があったのだ、という事実を目の前にしてただ悔しかった。人を応援するのはとても難しい。
それが友達であれ、家族であれ、恋人であれ、自分がとても好きな人間が幸せを手にしたときそれはとても嬉しいはずだけど、同時に嫉妬もしてしまう。
自分自身が納得のいく結果をだせていないとき人の成功はまぶしくて、目をつむってしまうんだろう。
じゃあどうしたらいいんだろう
どうしたら事実と向き合って生きていけるんだろう。
そう考えたとき自分がこのうえなく幸せだったのならもっとすばらしい世界が広がるんじゃないかとそう思ったんだ。
でもこのうえなく幸せになることはとても勇気がいると思うんだ。
欲しいもの全てを手に入れようなんてそんなのただの傲慢だろう
俺は今のままで十分なんだ
そう思い込ませようとしていた。
がむしゃらで死に物狂い
そんなのカッコ悪いじゃん
俺には俺のペースがあるんだぜ
そういう生き方もありだろう
色んな生き方がある。
でも、自分が手に入れられなかったものを目の前にしたとき俺はただ悔しかった。
ただ高みを目指したい
そこから何が見えるのか
そのためたらなんでもしよう
つまらないプライドは全て捨てよう
今まで自分を守るためにあきらめてきたものはとても大事なものだったんじゃないか
今まで俺の成長を止め続けていたのは俺のプライドなのかもしれないな
あるときそんなことを思ったんだ。
本当の瞬間に次の一歩を踏み出させるのはどんな想いなんだろう
その先にはなにがあるんだろう
きっと魂も震えるんだろう
俺はそれが知りたいんだ
「世界に変革を望むのならまず自分が変われ」
偶然出会ったガンジーの言葉に感銘を受けた。
植民地での抑圧下、周りの仲間たちが必死に抵抗するなかで、あるときガンジーはひとり非暴力を唱え、黙って殴られ続けたのかもしれない。
そして周りの人々もまたガンジーにならって、黙って殴られ続けたのかもしれない。
そして非暴力がインド独立の象徴となったのかもしれない。
それを想像したとき、鳥肌がたった。
不満ならいくらでも言えるだろう
でも世界は変わらない
世界を変える最初のひとりになろう
俺が変わろう
世界を変えようと思うんだ。
2006年度 副将 20期 MF#6 吉江直人